論述試験「50分」の壁を破れ!合格点を取る時間配分術
「キャリアコンサルタントの論述試験、いつも時間が足りなくて焦る…」
「どう配分すれば、50分で最後まで書ききれるの?」
もしあなたが今、論述試験の時間不足に悩んでいるなら、安心してください。
この記事では、私がキャリアコンサルティング協議会の論述試験で高得点を取り、一発合格した経験から、50分で合格点を取るための具体的な「時間配分」のコツを徹底解説します。
各問いにかけるべき時間、そして時間内に効率よく書ききるための実践的なテクニックまで、包み隠さずお話しします。
論述50分攻略!「思考」と「記述」を加速させる時間配分
キャリアコンサルタントの論述試験は、与えられた事例を正確に読み解き、論理的な支援方針を限られた時間で記述する能力が問われます。この50分をいかに効率的に使うかが、合否を分けます。
1. 論述50分間の「現実的な時間配分」例
まずは、私が実際に試験で意識し、合格を掴んだ時間配分の目安をご紹介します。これはあくまで一例ですが、あなたの練習の参考にしてください。
問題文読解・事例分析(問い1〜4の構成検討含む): 5分
事例記録のクライアントの感情ワード、CC(キャリアコンサルタント)の応答意図、そして不足している情報などを素早く読み解きます。
この5分で各問いの構成を頭の中で組み立てるイメージです。
①クライアントの発言に特に注意を払う。
特に、感情を示す言葉(不安、焦り、モヤモヤ、嬉しい、困っているなど)には必ず線を引きます。
これらは主訴や課題の根源に繋がることが多いです。
例:「上司との関係でストレスを感じていて…」
「今の仕事に物足りなさを感じています」
「将来への漠然とした不安があります」
②キャリアコンサルタント(CC)の応答に着目し、その応答がクライアントにどう影響したか、CCは何を意図したのかを考える。
例:「〇〇(クライアントの発言)なのですね、と傾聴したことで、クライアントはさらに深く語り始めた」
③「不足している情報」を意識して読み進める。
事例記録に書かれていないが、本来の面談であれば確認すべきだった点(例:具体的な仕事内容、職場の人間関係の詳細、これまでのキャリア選択の背景、自己理解を深めるための過去の経験など)を把握しておくことは、後の「問い4」の支援内容を考える上で非常に重要です。
完璧に全てを理解しようとせず、解答に必要なキーワードや流れを素早く把握することに徹します。最初から一字一句丁寧に読み込みすぎて5分以上かけたり、焦ってキーワードだけ抜き出してしまい、全体の流れを把握できないといったNG例を避けましょう。
問い1・問い2(相談の概要、CCの応答意図): 10分
短文で完結させる問いです。
それぞれ5分ずつを目安に、要点をまとめて迷わず記述します。
問い1(相談の概要)
事例記録に書かれているクライアント自身の言葉を使い、客観的に要約します。あなたの解釈や感情は一切不要です。「クライアントが現在、何について、どういう気持ちで困っているのか」を明確に抽出して記述します。
例:「現在の職場で上司との関係にストレスを感じており、転職を検討しているものの、自身の強みや方向性に不安を感じているといった状況である。」
問い2(CCの応答の意図)
事例記録に挙げられたCCの特定の発言に対して、「なぜその応答をしたのか」という目的(意図)と、それがクライアントに与えた「どのような効果があったか」を明確に記述します。
例:「クライアントの『本当にやりたいことが分からない』という発言に対し、『〇〇(クライアントの発言を繰り返す)なのですね』と受容・共感することで、クライアントが安心してさらに内面を語りやすい雰囲気を作ることを意図した。これにより、クライアントは自身の漠然とした感情を言語化し始めるきっかけとなった。」
ポイント: 余計な修飾語は避け、書かれていないことを想像して書くのもNGです。
問題文に記載されている内容から、簡潔にキーワードを盛り込むことを意識しましょう。
問い3(クライアントの課題と根拠): 14分
この問いでは、クライアントの課題を明確に提示し、その根拠を必ず事例記録の事実から見つけ出して記述します。
ここが論理性が問われる核心部分です。
先に読み解いた感情ワードや不足情報、CCの応答意図などから、クライアントの表面的な問題の奥にある「本質的な課題」を見抜きます。
課題は、「自己理解不足」「仕事理解不足」「意思決定能力不足」「コミュニケーション能力不足」「特定の思い込み」など、キャリアコンサルティングでよく用いられる類型で言語化すると良いでしょう。
それぞれの課題に対して、事例記録の具体的な発言や状況を引用し、「〇〇(クライアントの発言)という点から、〇〇(課題)であると判断できる」のように、根拠を明確に記述します。
複数の課題を挙げる場合は、優先順位をつけても構いません。
例1(自己理解不足):「クライアントが『自分の強みが分からない』『何が向いているのか漠然としている』と述べていることから、自身の価値観や興味・関心への自己理解が不足していると考えられる。」
例2(仕事理解不足):「転職先を検討する上で『給料が高いところがいい』とだけ述べ、仕事内容や企業文化への言及がないことから、具体的な仕事内容や労働市場への理解が不足していると考えられる。」
ポイント: 課題と根拠の接続を明確にし、あなたの憶測ではなく、事例に基づいた記述を徹底しましょう。
問い4(CCの具体的な支援): 13分
最も記述量が多く、具体的な支援内容とクライアントの主体性を意識した表現に時間を充てます。
「問い3」で特定した各課題に対する具体的な支援内容を記述します。
クライアントが「自分で考え、行動する」ことを促す視点が重要です。
「私が〇〇します」ではなく、「相談者の了承を得て、〇〇を提案する」「相談者自身に〇〇を促す」といった表現を用いましょう。
具体的なツールや手法名(例:ジョブカードの活用、Job-Tagの紹介、職業情報提供サービス(job-tag)での情報収集支援、自己理解ワークシート、ロールプレイングによる面接練習、交流分析、行動計画の策定支援など)を挙げることで、記述に説得力が増します。
支援の目的や、それによってクライアントがどう変化することが期待されるかも簡潔に加えます。
例(自己理解不足への支援):「自己理解不足の課題に対し、まずはジョブカードの『キャリアプランシート』を活用し、これまでの経験の棚卸しと、興味・関心・価値観の言語化を促す。これにより、クライアントが自身の強みや方向性を明確に認識できるよう支援する。」
例(仕事理解不足への支援):「仕事理解不足の課題に対し、職業情報提供サービス(job-tag)を用いて、具体的な仕事内容や必要なスキル、労働条件などの情報収集を促す。並行して、関心のある企業への企業研究やOG・OB訪問も検討できるよう支援する。」
ポイント: 「問い3」で特定した課題と一貫性のある支援内容を記述し、具体的なツール名や手法を挙げることで説得力が増します。
最終見直し: 8分
ここを削らない! 誤字脱字、指示語のずれ、論理の破綻がないかを確認し、ケアレスミスを防ぐ大切な時間です。
誤字脱字、送り仮名、句読点のチェックを行います。
意外と見落としがちですが、読みやすさに直結します。
指示語のずれ(例:「これ」「それ」が何を指すのか不明確)がないか確認します。
論理の破綻がないか、問い1〜4全体を通して矛盾がないか、最終確認を徹底しましょう。
解答用紙のマス目が適切に埋まっているか(スカスカでないか、逆に書きすぎていないか)も確認し、最後に採点者が求めるキーワードが適切に盛り込まれているかを確認します。
ポイント: 一通り書き終えたら、必ずペンを置いて冷静に全体を見直しましょう。特に主語・述語のねじれや接続詞の誤用に注意です。

論述は本当に時間との戦いです。試験直前は、ひたすら過去問を時間を計って書きまくりました。手が震えるくらい(笑)。この時間配分は、私が50分で書き切るために試行錯誤した結果です。
時間配分をマスターする「実践テクニック」
この時間配分を、あなたのものにするための具体的な練習法を紹介します。
タイマーを使った過去問演習の徹底
必ずストップウォッチを使い、本番と同じ50分で過去問を解きましょう。
各問いの目標時間を意識しながら、「時間切れで途中でも強制終了」を繰り返します。
最初は最後まで書ききれなくても、続けることで時間感覚が養われます。
ポイント: 過去問を解く際は、本番と同じ筆記用具を使い、手書きのスピードを意識しましょう。
書けない箇所の「飛ばし書き」
途中で手が止まってしまう問いや、言葉が出てこない場合は、無理に考え込まず、キーワードだけメモして次の問いに進む勇気を持ちましょう。
他の問いを書き終えてから、余った時間で戻って肉付けすることで、時間切れのリスクを最小限に抑えられます。
「型」の徹底的なインプット
論述には採点者が求める明確な「型」があります。
この型を事前に頭に入れることで、本番で「何をどう書くか」迷う時間を大幅に短縮できます。
ポイント: 論述の「型」は、具体的な事例に沿って何度も練習することで、自然と身につきます。
💬 論述対策は、書く練習が全てです。ひたすら書いて、書いて、書きまくって、時間を意識する。これしかありません!
まとめ:時間管理を制して、論述試験を攻略せよ!
キャリアコンサルタントの論述試験は、50分という限られた時間の中で、あなたのコンサルティング能力が問われる実践的な試験です。
この記事で紹介した「時間配分」のコツと「実践テクニック」を意識して練習を重ねれば、必ず時間内に合格点を取る力が身につきます。
問題文を素早く読み解く力、各問いのポイントを押さえて記述する力、そして冷静に全体を見直す力。
これらを高めることが、論述攻略の鍵です。
論述対策は孤独な作業になりがちですが、諦めずに続けることが何よりも重要です。時間管理を味方につけて、自信を持って論述試験に挑み、合格を掴み取ってください!
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