【キャリコン実技試験対策】「部署異動」で失敗しない!不安を自信に変える面談術と評価ポイント

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クライアントが「部署異動」に不安を感じている時、どう面談しますか?合格を引き寄せる面談術

「実技試験で『部署異動で悩んでいる』というテーマが出たら、どう声をかければいいんだろう…」 「クライアントが『新しい部署でうまくやっていけるか不安だ』と自信をなくしている時、どう支えればいい?」
「異動先での具体的な行動や、適応のための準備をどうアドバイスすればいい?」

国家資格キャリアコンサルタント実技試験で、「部署異動」というテーマが出た場合、これはクライアントにとって新たな挑戦でありながら大きな不安を伴う相談です。

クライアントは、未経験の業務への戸惑い、人間関係の再構築へのプレッシャー、これまでの実績が通用しないかもしれないという焦りなど、様々な悩みを抱えています。

この記事では、私がキャリアコンサルタントとして実際に部署異動に悩む方々を支援し、また実技試験対策に携わってきた経験から、「部署異動」設定で失敗しないための具体的な対策を徹底解説します。
クライアントの不安に寄り添いながら自信を見出す面談の進め方、効果的な声かけのコツ、そして合格を引き寄せる評価ポイントまで、すぐに実践できるノウハウを凝縮してお伝えします。

この記事を読み終える頃には、あなたは部署異動に悩むクライアントの心に深く寄り添い、彼らが自信を持って新しい環境に適応し、キャリアを前進させるための確かな道筋を見つけることができるはずです!


実技試験「部署異動」設定、ここが難しい!

「部署異動」のテーマには、特有の難しさがあります。
この状況を理解することが、適切な面談の第一歩です。

1. 未知の環境への適応不安

クライアントは、新しい業務内容、職場のルール、人間関係など、未経験の要素に対する不安を抱えています。
これまでの経験が活かせないのではないか、新しい環境になじめないのではないかという懸念が強い場合があります。

2. 自己効力感の低下

慣れない環境や業務によって、一時的にパフォーマンスが低下したり、これまでの成功体験が通用しなかったりすることで、クライアントの自己効力感(「自分にはできる」という感覚)が低下することがあります。

3. 周囲への相談のしづらさ

異動は会社からの方針であることが多く、クライアントは「不満を言っても仕方がない」「前向きに対応すべき」といった思いから、周囲に本音を相談しづらいと感じることがあります。

こう
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部署異動は、クライアントにとって「キャリアの転換点」であり、同時に「大きなストレス」でもあります。
彼らが抱える不安に寄り添い、新しい環境での可能性に目を向けさせる支援が不可欠です。


「部署異動」面談を読み解く「3つの視点」

実技試験の「部署異動」設定では、クライアントの言葉の奥にある真意と、具体的な状況を深く理解する視点が重要です。

1. 「異動の具体的な内容とクライアントの感情」を深掘りする視点

クライアントがどのような部署へ、どのような理由で異動するのか、そしてその異動に対してどんな感情を抱いているのかを詳細に確認しましょう。

  • 異動の背景: 会社からの打診か、自己希望か。異動の目的や背景(事業戦略、人材育成など)は何か。
  • 異動先の情報: 新しい部署の業務内容、組織体制、メンバー構成、求められる役割など。
  • クライアントの感情: 期待、不安、戸惑い、抵抗感、不満など、異動に対する率直な感情。
  • 仕事や生活への影響: 業務内容の変化、通勤時間の変化、人間関係の再構築など、具体的な影響。

面談での活かし方: これらの情報から、クライアントの不安の具体的な要因と、その感情の背景を把握します。
「新しい部署への異動が決まった時、〇〇さんはどんなことを一番に感じましたか?」「具体的にどんな点に不安を感じていますか?」と問いかけ、クライアントの感情を深く受け止め、言葉にする機会を提供します。

2. 「これまでの経験と異動先での活かせる強み」を深掘りする視点

クライアントがこれまでの職務経験や培ってきたスキルを客観的に見つめ直し、異動先でどのように活かせるか、あるいは新たな強みとして育てる可能性を共に考えましょう。

  • これまでの業務内容と実績: 前職でどのような業務を担当し、どんな成果を出してきたのか。
  • 汎用的なスキル: コミュニケーション力、問題解決能力、計画性、調整力、対人関係構築力など、部署を問わず活かせる力。
  • 異動への動機付け: 異動によって得られる新たな経験や学び、キャリア上のメリット。
  • 自身の適応力: これまでの環境変化への適応経験や、困難を乗り越えた経験。

面談での活かし方: 「これまでの部署で培ってきたスキルの中で、新しい部署でも活かせそうなものはどんなことだと思いますか?」「異動を通して、〇〇さんが新しく身につけたいスキルや経験は何ですか?」「過去に新しい環境に適応した経験はありますか?その時、どんな工夫をしましたか?」と問いかけ、クライアントの持つ力を再認識させ、新たな可能性を引き出します。

3. 「異動先での具体的な行動とサポート体制」を深掘りする視点

クライアントが新しい環境に適応し、早期に活躍するための具体的な行動計画と、利用できる社内外のサポート体制を共に考えます。

  • 情報収集: 異動先の部署や業務、人間関係に関する事前の情報収集方法。
  • 初期行動: 異動後にまず何をすべきか(自己紹介、業務の把握、キーパーソンとの関係構築など)。
  • スキルアップ: 新しい業務に必要な知識やスキルの習得方法。
  • 相談相手: 新しい部署での相談相手、上司や先輩との関係構築。
  • 社内制度・リソース: 異動者向けの研修、メンター制度、相談窓口など。

面談での活かし方: 「新しい部署で、まずどんなことから始めていこうと思いますか?」「困った時に、誰に相談できそうですか?」「もし、〇〇さんが『これだけは準備しておきたい』と思うことはありますか?それは何ですか?」と問いかけ、実現可能な具体的な行動計画をイメージさせ、前向きな行動へと繋げます。


「部署異動」面談の具体的な進め方と声かけのコツ

クライアントの不安に深く寄り添いつつ、新たな環境での可能性に目を向けさせ、具体的な行動を促す関わり方が求められます。

1. クライアントの「不安」と「戸惑い」に寄り添う傾聴

クライアントが部署異動によって感じている具体的な不安や戸惑いを否定せず、深く受け止めることが重要です。

NG例: 「異動はチャンスですよ。前向きに捉えましょう。」

NG理由: クライアントの**不安な気持ちを軽視し、一方的に「前向きになれ」と促しています。
これにより、クライアントは自分の感情を抑え込み、本音を話しづらくなる可能性があります。

OK例: 「新しい部署への異動は、期待もある反面、不安や戸惑いも大きいことと思います。具体的に、どんな点に一番不安を感じていますか?その不安は、〇〇さんにとってどんな気持ちにつながりますか?」

OK理由: クライアントの期待と不安の両面に言及し、感情を深く受け止める姿勢を示しています。
具体的な不安の要因を問いかけ、クライアントが自身の感情を言葉にする機会を提供します。

2. 「強み」の再認識と「適応力」を引き出す質問術

クライアントがこれまでの経験から得た強みや、新しい環境に適応する力を再認識できるよう、具体的な質問を投げかけます。

NG例: 「新しい部署の業務は大変そうですね。今のスキルでは難しいかもしれません。」

NG理由: クライアントの**能力を否定し、さらに不安を煽っています。**このような発言は、クライアントの自信を失わせ、行動への意欲を削ぐことになります。

OK例: 「これまでの部署で、〇〇さんが困難な状況を乗り越えた経験はありますか?その時、どんな工夫をしましたか?」「〇〇さんが新しい業務に取り組む上で、これまでのどんな経験やスキルが活かせると感じますか?」

OK理由: クライアントの過去の成功体験や持つスキルに焦点を当て、それを新しい環境でどう活かせるかを考えさせます。これにより、クライアントは自身の適応力や可能性を再認識できます。

3. 「具体的な行動」と「利用できる支援」を明確にする計画

クライアントが無理なく実行できる「小さな一歩」を具体的に設定し、利用できる社内外のサポートと結びつけて行動を促します。

NG例: 「異動前に、異動先の部署全員と会って話しておくべきです。」

NG理由: クライアントの状況や心理的な負担を考慮せず、唐突で過度な行動を促しています。
これにより、クライアントはプレッシャーを感じ、行動に移せない可能性があります。

OK例: 「新しい部署でのスタートに向けて、今日お話しした中で、〇〇さんが『まずはこれならできそう』と思えることはありますか?例えば、異動先の部署の組織図を確認してみる、新しい上司に一度挨拶のメールを送ってみる、など、小さなことから考えてみませんか?会社の人事制度で利用できるものがないか一緒に調べてみることもできますよ。」

OK理由: クライアントが「できる」と感じられる具体的な行動目標を提示し、自己決定を促すことで、行動への心理的ハードルを下げます。
また、サポートの提供も示唆し、安心して行動に移せるよう促します。

こう
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部署異動は、クライアントにとって新たなキャリアを切り開く貴重な機会です。
キャリアコンサルタントは、クライアントがこの変化を前向きに捉え、自身の力を最大限に発揮できるよう、伴走します。


実技試験「部署異動」で評価されるポイントと対策

実技試験では、単に話を「聞く」だけでなく、キャリアコンサルタントとしての専門的な視点と関わり方が評価されます。

1. クライアントの「異動への感情」への深い共感と受容

  • 共感と受容: 異動に伴う期待、不安、戸惑い、抵抗感といった複雑な感情を批判せず、深く共感し受け止める姿勢。
  • 安心感の提供: クライアントが安心して自身の弱い部分や本音、具体的な不安を話せるような安全な面談空間を築く。

2. クライアントの「強み」と「適応可能性」の再発見

  • 経験の再評価: クライアントのこれまでの経験や培ってきたスキルを、新しい部署で活かせる視点から再評価できるよう促す質問力。
  • 自己効力感の向上支援: クライアントが自身の適応力や可能性を自ら発見し、自信を取り戻せるような肯定的なフィードバックと問いかけ。

3. 「具体的な行動計画」と「利用可能な支援」への支援と自己決定の促進

  • スモールステップの提案: クライアントの心理状態や状況を踏まえ、無理なく実行できる「小さな一歩」となる具体的な行動計画を共に検討し、明確にする。
  • 社内制度・リソースの活用支援: 異動者向け研修、メンター制度、相談窓口など、利用可能な社内リソースの情報提供と活用を促す
  • 自己決定の尊重: キャリアコンサルタントが答えを出すのではなく、クライアント自身が納得して次のステップを選択できるよう、意思決定プロセスを支援する。

4. 信頼関係構築と伴走姿勢

  • 継続的なサポートの示唆: 一度きりの面談で終わらず、クライアントが困難に直面した際に再び相談できるような関係性を構築する姿勢。
  • 非言語の活用: うなずき、アイコンタクト、穏やかな表情などで、クライアントが安心して本音を話せる雰囲気を作る。
  • 守秘義務の確認: 面談の冒頭で守秘義務について触れ、安心して話せる環境を提供します。

まとめ:「部署異動」設定を「得意」に変えて合格を掴む!

国家資格キャリアコンサルタント実技試験の「部署異動」設定は、クライアントの新しい環境への適応とキャリア形成を支援する、非常に重要なテーマです。

クライアントの不安に深く傾聴し、自身の強みと可能性を再認識する機会を提供することで、クライアント自身が納得して新しい部署での活躍に向けた具体的な一歩を踏み出せるように支援すれば、決して難しいものではありません。

今回ご紹介した「3つの視点」と「具体的な声かけのコツ」を繰り返し練習し、ロールプレイングで実践してみてください。

「部署異動」設定を「苦手」から「得意」に変え、自信を持って実技試験に臨み、合格を掴み取りましょう!

この記事を書いた人
こう / キャリアコンサルタント

フルタイムで働きながらキャリアコンサルタント試験をオールAで1発合格。
未経験から人材業界へキャリアチェンジし、キャリアコンサルタントの資格を活かして転職活動支援や新卒学生の就活支援を行なっています。
自分自身の実体験と転職支援の経験をもとに、キャリアコンサルタントの資格取得から人材支援の仕事に就くまで、実際の仕事の模様などを発信していきます!

1児の父。

【保有資格】
・国家資格キャリアコンサルタント
・メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種
・その他保有資格:日商簿記検定2級

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